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2005-5 第7回
「デジタル化」

GWも終わりました。皆さん、どこかへお出かけ等されましたか?大型連休とはいえ、統計をとると『特にどこへも出掛けない』人が、実は一番多いそうです。家でのんびり、読書やテレビもいいものです。
日頃あまりメインの話題になりませんが、重要な問題をひとつ。今の普通のテレビ放送(地上波)が2011年にはなくなってしまい、デジタル放送のみとなってしまいます。今のフツーのテレビは使えなくなります。いったい誰が何のためにその様に決めたのでしょう?
デジタル化されると超高画質になる→私は今でも十分満足。
たくさんの情報を送る事ができる。→今のスカパーでさえ、よく見るのは数チャンネル。実際そんなに見れる時間もないよ…
さて、皆さんはどう思われますか?
歯のデジタル化ではありませんが、以前メールにて御相談を受けた『インプラント』について、私なりにお答えした内容を抜粋して書きます。この患者さん、今まで部分入れ歯を使っておられた方ですが、突然インプラントを勧められ、どうしたらよいか大変悩まれた末の御相談でした。

前略…お口を実際拝見していないので、あくまで想像になりますが、以前、小さな部分入れ歯から始まり、序々に歯を抜くようになり、入れ歯もだんだん大きくなった。今回もそうなるんだろうと考えていたら突然インプラントの話が…ではないでしょうか。それはさぞかし驚かれたでしょう。
今ぐらぐらゆれている歯、患者さんが部分入れ歯をすでに使われているなら、この歯を抜いて現在使用している入れ歯にその部位を足すなりで済ませる手を、まず考えます。
残った歯に負担をかけずにインプラントとなると、数回の手術を受ける体力・気力も必要でしょう。女性・6○才というお年を考えると、顎の骨の強さはどうなんだろう…又、将来もし歯科医院に通えなくなったりした際、入れ歯なら外して洗えるし、調子悪ければ外しておける。インプラントのケア・手入れは在宅だけでできるだろうか…など、私は心配します。
確かに部分入れ歯のバネをかけた歯は、負担が増しますから、寿命も短くなるでしょう。しかし、今まで失ってきた歯も、きっとこの『流れ』で失われたのかもしれません。そちらの先生は、この『流れ』を変えるためにインプラントを!というお考えなのかもしれません。入れ歯のバネをかけていなくても、歯周炎や老化により失われる歯もありますから、完全に歯は残る、という保障はないと思うのですが…
しかし、うまくインプラントが根付いてしまえば自分の歯があった時の様な、快適な食事が可能になります。入れ歯では食べられなかった固いモノが噛めたり、取り外しも原則しないで済む。メリットもたくさんあります。
ですから要は
『入れ歯』に不満を抱き、どうにかしたい。そのためには手術や費用はいくらかかってもかまわない。
それくらいの気持ちが固まってから受けられてはどうでしょうか?
治療される先生にとってインプラントは日常の事なのでしょうが、患者さんにとっては大変決心のいる一大事。少しでも『やってみようかな…』とお考えでしたら、納得のいくまで、説明を受けてみられてはいかがでしょうか?
人の考えは人それぞれです。実際、小さなムシ歯を治しにみえる方も多い中、痛くなければムシ歯と気付いていても放置、痛い時だけ治療する、という方もいらっしゃいます。すなわち術者として『完全に治す≠患者さんにとって最良』、をよく実感します。『最新の治療』が患者さんにとって『最高の治療』とは限らない、と私は思っています。患者さんが『満足できる』事、それがその患者さんにとって『最高』の治療だと考えています。
以上です。

身内の話題で恐縮ですが、私の両親も入れ歯で元気に過ごしています。数年前他界した祖母も、総入れ歯で90才近くまで健在でした。入れ歯が生理的に受け入れられない等の事情があれば別ですが、入れ歯もそんなに捨てたモノではない!と私は思います。
テレビも今のままで十分だと思うんだけどな…


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