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2005-5 第8回
「アウト?セーフ?」

プロ野球史上初のセ・パ交流戦も中盤へと差し掛かりました。対戦もほぼ一巡し、通常リーグ戦に比べ調子を落とすチームもあれば、息を吹き返すチームもあったりで、プロ野球ファンにとっては楽しい限り。しかし、監督・選手にとってはいつもの倍の対戦相手データをインプットせねばならず、さぞかし大変だろうな…ご苦労さまです、と言ってあげたい様な。
野球に限らず、対戦式球技には『審判』が存在します。目まぐるしいスピードのプレーを正確・公正にさばく技術や能力には、選手のプレー以上に感心させられます。けれど所詮人の目での判断、ときには?と感じる場面も。それもまた勝負に調味料を加えていると私は思っています。まして野球のあの広いエリアを4名でジャッジするのです。テレビで、しかもスロー再生を見て審判を野次る人、それは真のスポーツファンではないですよ(笑)
アウト・セーフ、ストライク・ボール、ホームラン・ファウル…ムシ歯・ムシ歯でない…我々も判定・判断を日々しながら治療にあたります。判定・判断のみの最たる場面が『歯科健診』。私の担当する小学校でも先週実施されました。全学年を二人の歯科校医が分担して担当、約420名が私の受け持ちでした。要した時間は約四時間。一人に換算すると約34秒。これには手を洗う時間も含まれますから、正味一人あたり25秒程度でしょう。しかも裸電球一つの照明で、乾かせるエアーも無し。消毒の都合上、口の中に指を入れる事もできず。これはある意味、野球の審判・塁審と同じくらい過酷な状況での判断を求められます。上の奥歯などは特に判断しずらく、苦労します。着色かムシ歯か…これもまた分かりずらい。給食後、ハミガキが半端だったりすると、詰めて治療してあるのか、食べカスが入っているのかも??
この様な条件下での健診、もちろん効果を否定するワケではありません。が、『要治療』の紙をもらった・もらわない、できればそれにとらわれない日頃の健診を、できれば歯科医院にて受ける事を、私はおすすめします。個人的な意見として、少子化の進む今後、年に一度でもできれば学校健診も『1才半・3才児健診』の様な、個別医院にて自由に受けられる制度ができるといいと思います。


しかし、外野ポールの上を通過した打球、一・三塁審はなぜファウル・ホームランがわかるのだろう…話す機会があったら聞いてみたいな。


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