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2005-6 第10回
「金と銀」

サッカーW杯ドイツ大会まであと一年を切りました。日本も出場を決め、前回以上の活躍が期待されます。また盛り上がる事でしょう。
W杯は『優勝・準優勝…』ですが五輪は『金メダル・銀メダル…』と、『メダル』が順位の代名詞となっていますね。一位・金と二位・銀の差はもちろんですが、三位・銅と四位メダルなしとでは天と地ほどの差を感じてしまいます。たしか八位(だったかな?)まで入賞として讃えられるなら、四位以下にも何かないものですかね?

歯の治療、詰めたり被せたりに用いられる金属には、金・銀・銅が混合されています。一番多いのは銀・50%、次にパラジウム・20%、銅・16%、金・12%、その他、となっています。『へえ〜、銀歯なのに金が入っているの?』と不思議に思われるでしょう。純金(24K)やアクセサリーに用いられる20K、18Kとくらべ歯科用金属は計算上2.9Kとなります。金色に見えなくても当然でしょう(笑)

保険を使わない治療ですといわゆる『金歯』も可能です。歯科用の場合、1本ずつのものなら20K、ブリッジ等強度を必要とするならプラチナ(白金)の入った金合金を使います。これらの金合金は保険用のものと比べ、金の含有量が多いぶん細部の適合に優れます。長い目でみると、治療後再びムシ歯になる率は低いでしょう。また、保険用より適度な『軟らかさ』があり、噛み合わせに馴染みやすい事も大切な点です。けっして『金色できれい』だけではありません(笑)

近年、金属を用いない治療も主流になってきました。いわゆる『レジン』を詰める治療、金属で治療するより歯をあまり削らないで済む、歯形を採らずに済む、治療後が目立たない、等々のメリットがあります。このまま金属はレジンにとって代わるか?答えはノーでしょう。それぞれが適材適所に使い分けられ、共存していくものと思われます。

将来、また新たな材料・治療法が開発されるでしょう。が、どんな時代になろうと歯にとっての最高の材料は『健康な歯、それ自身』である事にかわりはないと確信します。


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