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2005-9 第15回
「44」

第44回目の衆院選挙が終わりました。
皆さん、投票へは行かれましたか?
前回よりは投票率上がったとはいえ、それでもまだ3割以上の有権者は棄権・欠席票。
最近はCMなどでも投票を呼び掛けていますが…もっとわかりやすい政治が求められているのでしょうか?…
今回は歴史の話です。

『44』絡みでちょうどよいネタがありました。
金属に替わり治療の主流になりつつある『コンポジットレジン=歯の色に似た詰める材料』が治療に導入されたのが、昭和44年。
世界的には1949年に開発された『インプラント=人工歯根』は、今から44年前の1961年に治療に導入されました。
入れ歯の歴史はさらにさかのぼり、世界一古い入れ歯は16世紀に作られた、日本の『木製入れ歯』が現存しています。
しかもそれは現在の入れ歯の形とほとんど同じものです。
ツゲの木を彫刻して作られた、たいへん手のこんだ精巧なものです。

ヨーロッパで入れ歯が登場するのはこれより100年以上も先。
それも形は全く異なり、上下の入れ歯をバネでつなぎ上の入れ歯を支えていたとか。
違和感・苦痛は相当なものだったでしょう。
『噛む』機能はとても期待できない、見た目だけの入れ歯だった様です。
入れ歯については日本は先進国だったのです。

ちなみに18世紀に書かれた杉田玄白『解体新書』には、歯科の記述はなかったそうです。
このころまでは、歯の治療=歯を抜く、だったのでは?とうかがえます。

19世紀半ば、ペリー来航以来、外国人歯科医師が日本に診療所を構えました。
歯科医師になるための技術試験は1883.明治16年から始まり、その後学校も創られました。
近年で驚く事は、10校程度しかなかった歯科大・歯学部が、1965〜80年の間に21校も増えた事でしょうか?
その甲斐あってかムシ歯も減り、歯科医院も増え、治療を受けやすい環境は整いました。
しかしこれからは人工も現象傾向となる日本、歯科関係学部の定員削減との話は耳にしても、はたしてそれだけで供給過剰は押さえられるか?
郵政問題以上に、我々の今後・次世代には深刻かもしれません。

さて、秋です。
秋刀魚の塩焼き・刺身が恋しいです。
豊漁だと安値安定。
こちらの供給過剰はうれしいです(笑)


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