Top > こらむ >

2006-9 第27回
「顔」

夏休みも終わりました。お盆休み等、みなさんはどう過ごされましたでしょうか?

今年は『暑っつ〜い(><)』と感じられた日が少なかったですね。
自宅の柿・ニガウリの生育もいまひとつ(カメは元気)。
九月の今、夜は布団掛けて寝る程に。
今年は秋が長いのかな?

長い秋に向け対策として『芸術の秋』だけでなく今年は『運動の秋』をプラス、そのために先日、自宅近所の大型複合商店街にて、私専用の《自転車》を購入しました。
この体型・体重ですからタイヤの丈夫な機種を!と店員さんに相談したところ『マメに空気圧を点検し空気を補充する事が大切。
ゴツく丈夫そうなモトクロス用のタイヤもゴムの薄い部分があり、パンクの頻度は変わらない』との説明。
結局、27インチ・3段変速付きのごくごく普通の機種に落ち着きました。

今ではハンドルの形にも慣れ、近所の焼鳥屋へも送迎無しで飲みに行け、大変いい運動+役立っております。
いずれは通勤にも!と考えましたが、意外と大きな坂が多いのでどうしたものかと。
今では、平坦でのどかな道の多い越谷方面のルート・約2時間がお気に入りコースに

あっという間に通り過ぎてしまう自動車と異なり、目や耳に飛び込んでくる新鮮な発見に、小さな感動を覚えます。
まず最初に気付いた事、それは道路・アスファルトの感触。
徒歩や自動車では感じえない感覚が、自転車の車輪では敏感に伝わってきます。
新しい舗装≠乗り心地が良い
新しい道路は水捌けを良くするためか、ザラザラ道路を走行している様に感じます。
その他継ぎ接ぎがあったり…さながら道路にもいろいろな顔があるのだな、と。

ゴツゴツしているといえは、歯の表面。
ツルンとしている印象かもしれませんが、実は起伏に富んだゴツゴツ顔なのです。
それは、磨耗していない生えたばかりの歯をよ〜く見ていただければわかりやすいです。

前歯の先端を例にとります。
普通この部分は『横にまっすぐな直線』とのイメージかと。
しかし、一歳児の乳歯前歯、就学前後に生え始めたばかりの永久歯前歯の形は…山脈もしくはマンガで描く冠のごとく、小さな山が3つ並び、デコボコ・ギザギザを呈しています。
歯を使ううちにこれらの起伏は磨耗し、平らになってしまいます。
磨耗は歯を使う限り生涯続きます。
約1ミリの厚みのあるエナメル質を越え、内側の象牙質へ達すると、磨耗は加速します。
象牙質はエナメル質より軟質なため磨耗が早く進み、エナメル質が残り象牙質が減った形・先端が凹んだ形を呈します。
中年以降の人の下前歯がわかりやすい場所かと。

歯の側面を見てみましょう。
この面も決して平らではなく、水平方向への年輪の様な細かなデコボコ(爪でさわるとザラザラ感じる)、垂直方向への緩やかな起伏があります。
これらの起伏が微妙な光の反射を生み出し、歯を魅力的に見せる演出に一役かっています。
一目見て『作り物だな』と感じる入れ歯・さし歯にはこれらの起伏がなく、ツルンとした形状のものが多いです。

骨・歯肉に隠れている根の部分を見ると、又様々な顔があります。その中で意外なネタをひとつ。
乳歯と永久歯を比較した場合、乳歯においての方が歯の大きさ全体に占める根の長さの割合が、実は多いのです。
交換期に見る抜けた乳歯では実感できませんが、乳歯はチビでも『足長』だったのです(笑)。

当院では、抜歯した歯はなるべく患者さんにお持ち帰りいただいています。機会ありましたら、今度ぜひ歯の様々な『顔』をご観察ください。

自転車、快適ですが…とても危ない…特に下り坂…怪我に注意します。


←前のコラムヘ 次のコラムへ→