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2006-10 第28回
「浦島太郎」

秋晴れの日々が続きます。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
私の予測通り(?)今年の秋は長い様で、さまざまな秋を満喫されておられるかと。
我が家の柿も今年はたくさん実り、休日の朝は脚立と高枝伐り鋏を手に収穫をしています。
味は…『渋くない程度』といったところ(笑)

平日夜もWALKINGに週数回は出られ、食欲の秋を相殺できる様にガンバっています。
そんなある日の夜、WALKING中に道の真ん中に黒い物体を発見。
シッポが見えたのでネズミかな?
しかし近寄っても動かないしネズミにしてはかなり大きい…よ〜く見ると《カメ》!。
手にとって見ると、甲羅に欠けた跡があったりで、とりあえず自宅へ連れ帰って保護することに。
弱っているかと思いきや、水の入ったバケツへ入れたとたん元気に動き出したので、ホッ。
そのまま我が家の親カメの待つ池に住まわせる事に。

この『甲長約15cmのイシガメ』、ウチのとは種類か違うせいもあるでしょうが警戒心も強いのか、日中は姿見せませんが、夜にライトを近付けそ〜っと観察してみると、デカイいカメの背に乗り、水面から顔を出していたり。仲良く暮らしている様です。
カメを連れて帰る道中、私の頭の中は『浦島太郎』の事でいっぱいになりました(笑)

我が歯科業界(たぶん医療業界全体)も時に、浦島太郎的な思いをすることがあります。
それは、定期的に行われる制度改正にてもたらされます。
患者さんにとっては『負担率の変更』で一番感じ取れるのではないでしょうか?
私がこの職業に就いた時期と今、この20年弱の間に三倍になった方もいれば、負担金ゼロだった方が三割負担になったり。
老人保険においては、何度変更になったか覚えていられない程に変わりました。

現場サイドの我々にとっても、項目が増えたり減ったり、同じ治療行為でも呼び名が変わったり、以前は可能だったのにある日から突然出来なくなる処置(逆もありますが、こちらの方が少ない)等、数年この業界から離れていると、ガラっと様相が変わってしまい、あたかも『龍宮城から帰ってきた浦島太郎』の様になってしまう。医療事務などにおいてはさらに顕著でしょう。

今年の四月には『文書』を患者さんにお渡しする事が多くなる制度改正がありました。
どんな改正であっても、結果として患者さんに利益がもたらされるなら、現場サイドも多少の手間はヨシと考えられます。
が、我々のお渡しする文書、これは患者さんにとって利益となるのか?時に思います。
これを書く時間の分患者さんへの説明・お話にあてた方がよいのでは?と思ったり。

これからもどんどんと制度は変わるでしょう。
どんなに制度が変わろうと一歯科医師としてできる事、それは患者さんへの奉仕である事を忘れずに、対応していきたいと思っています。

カメ保護後、龍宮場からのお迎えはおろか、身の回りに何の変化もありません。
もしかして、私はカメを助けたのではなく、『拉致』したって事なのかもな〜。
川に逃がしてあげればよかったかな?(笑)。
イシガメの目って、クリクリしていて可愛いですよ(^-^)


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